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その名の通り、全身に多様な症状が起こるSLEだが、症状の出方は人によって様々だ。
発症時には、発熱が続く、全身の関節が痛む、などの症状が出やすい。
また、皮膚に症状が出やすく、特徴的な症状として、蝶形紅斑(両頬にかけて蝶が羽を広げたような形の紅斑)があげられる。

SLE(全身性エリテマトーデス)の診断基準

以下の項目4つ以上があてはまれば、SLEと診断される。
  • 頬部紅斑
    顔面、頬に紅斑(蝶形紅斑)がみられるか

  • 円盤状紅斑
    丸い皮疹が慢性的にみられるか

  • 光線過敏症
    紫外線に当たって異常な日焼けや水ほうが出来たことがあるか

  • 口腔内潰瘍
    口の中、のどに潰瘍が出来ているか

  • 関節炎
    2箇所以上の関節に痛みや腫れがないか

  • 漿膜炎(しょうまくえん)
    胸膜炎または心外膜炎を発症していないか(胸や心臓に水がたまっていないか)

  • 腎障害
    尿検査でたんぱくが出ないか

  • 神経障害
    頭痛、けいれんなどの症状、または不安感・抑うつなどの精神症状がみられるか

  • 血液異常
    溶血性貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少のいずれかがみられるか

  • 免疫異常
    抗DNA抗体が高値、または抗Sm抗体、抗リン脂質抗体のいずれかが陽性

  • 抗核抗体
    抗核抗体が陽性か

アメリカリウマチ学会による分類基準。現在では国際的な基準となっている。


■血球の働き
赤血球
赤血球は、細胞に酸素を運ぶ働きをしている。
SLEでは炎症により、赤血球がつくられなくなったり、破壊され貧血を起こすことがある。

白血球
体内に侵入した細菌やウィルスなどの異物と戦う免疫細胞。SLEでは、白血球の減少が見られることが多い。

血小板
傷口をふさいで、血液を固める働きをする。血小板が減少すると、出血しやすくなったり、血がとまりにくくなる。SLEでは、血小板の減少が見られることが多い。


■尿検査
尿たんぱくは、腎臓の働きが低下していると高い数値を示す。
SLEは、腎臓の障害を起こしやすいので、必ずチェックする。



-------------出典---------------------------------------------------------------
『全身性エリテマトーデス 正しい治療がわかる本』
著者:聖路加国際病院内科医長(アレルギー・膠原病担当)松井 征男

『膠原病を克服する』改訂版
著者:順天堂大学膠原病内科教授 橋本 博史

『膠原病とリウマチの治し方』
監修:国立成育医療センター母性内科医長 村島温子




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